TVCM DATA Analysis

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テレビCMとは? メリット・デメリットや効果測定の方法を解説

テレビは、情報収集や娯楽のために利用される主要なメディアの一つです。

デジタル化が進行してインターネット広告をつかったマーケティング施策が一般化するなかでも、全国の家庭にむけて一斉に放映できるテレビCMは、幅広い年代に効率的にアプローチできる手法として高い効果が期待されています。

広告会社や広告宣伝部門の担当者のなかには「テレビCMにはどのようなメリット・デメリットがあるのか」「効果測定はどのように行うのか」など気になる方もいるのではないでしょうか。

この記事では、テレビCMのメリット・デメリットや効果測定の方法、テレビCMの効果を引き出すポイントについて解説します。


INDEX[非表示]

  1. テレビCMとは
  2. テレビCMのメリット・デメリット
    1. メリット
    2. デメリット
  3. テレビCMにおける効果測定の方法
  4. テレビCMの効果を引き出すポイント
    1. ①ターゲット層が視聴する番組や時間帯に放映する
    2. ②出稿目的に応じてテレビCMの種類を選ぶ
    3. ③複数の広告媒体と組み合わせて運用する
  5. まとめ


テレビCMとは

テレビCMとは、テレビで放送される番組の途中や、前番組と次番組の間に挿入される広告のことです。テレビ局のCM枠を購入することで広告配信を行えます。

広告を出稿できるメディアには、テレビのほかに新聞・ラジオ・雑誌といったマスメディアやインターネットなどが挙げられます。なかでも公共性の高いテレビには、ほかのメディアと比較して以下の特徴があります。


テレビの特徴

  • 全世代に視聴者がいるため、幅広い層への情報発信を行える
  • 信頼性が高い情報として視聴者に伝わりやすい
  • 大多数がリアルタイムに放送内容を共有できる


総務省の『令和4年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書』によると、全年代の約70%以上が平日・休日ともにテレビをリアルタイムで視聴しており、テレビCMは幅広い層へのリーチ力が高いことが分かります。


平日のテレビ視聴者率

平日のテレビ視聴者率

画像引用元:総務省『令和4年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書


休日のテレビ視聴者率

休日のテレビ視聴者率

画像引用元:総務省『令和4年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書


また、全年齢における“メディアの信頼性”についてはインターネットが30.8%なのに対して、テレビは53.1%とさまざまなメディアの中で一番高いことが分かります。


信頼できる情報を得るために利用するメディア

信頼できる情報を得るために利用するメディア

画像引用元:総務省『令和4年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書


テレビCMで配信する情報についても、視聴者からの信頼を得やすく影響力が高いと考えられます。

さらに、テレビでは大多数の視聴者がリアルタイムで放送内容を共有できるため、テレビCMを活用して全国規模かつスピーディーにアプローチを行うことが可能です。

なお、テレビCMの尺や時間帯についてはこちらの記事で解説しています。

  テレビCMの尺や時間帯はどのように決まる? 放映枠を選ぶ際のコツ テレビCMは、テレビ番組の視聴者に対してプロモーションを行える広告媒体です。企業の認知拡大や購買意欲の喚起、ブランドイメージの向上などに有効な施策として取り入れられています。しかし、放映できる尺や時間帯などが異なるいくつかの出稿形態があるため、特徴を理解しておくことが重要です。この記事では、テレビCMの尺と放映の時間帯、自社に合った放映枠を選ぶ際のコツについて解説します。 フジテレビ for Business


出典:総務省『令和4年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書



テレビCMのメリット・デメリット

テレビCMには、不特定多数の幅広い層に対して効率的にアプローチを行える一方で、運用や費用の面でいくつか懸念点があります。


メリット

テレビCMを放映するメリットには、以下が挙げられます。


メリット

  • 幅広い層に対して認知を拡大できる
  • ブランドイメージの定着化を図れる
  • 即効性のあるアプローチが行える など


テレビは年代や性別を問わずに視聴されるメディアのため、テレビCMを放映すると企業名や商材を知らない幅広い層に対して認知の拡大が期待できます。商材に興味を持ってもらい購買意欲を高められると、来店や問い合わせ、商品の購入などにつながる可能性があります。

また、映像や音楽、キャッチフレーズなどを用いて商材をアピールできることから、テレビCMを通してブランドイメージを効果的に伝えられます。同じ番組や決まった時間帯にテレビCMを繰り返し放映すれば、視聴者の印象に残りやすくなり、ブランドイメージの定着化を図れます。

さらに、テレビCMはリアルタイムな配信によって視聴者にリーチできるため、短期間で即効性のあるアプローチを行えることもメリットの一つです。新商品の予告やイベントの告知などにも有効といえます。


デメリット

テレビCMにはインターネットなどで出稿する広告と比較した場合に以下のようなデメリットがあります。


デメリット

  • 細かなターゲティングを行えない
  • 制作・放映に費用がかかる
  • 効果測定が難しい など


Web上で配信するインターネット広告の場合、ターゲットの属性や興味関心、購買行動などを踏まえて露出方法を細かく設定することが可能です。一方のテレビCMでは、番組・時間帯・尺などを決めて放映するため、インターネット広告と比べるとターゲティングの精度は低くなります。

また、テレビCMを放映する際には、映像の制作費やCM枠を購入する放映料がかかります。クオリティの高い映像を制作したり、全国規模の番組でテレビCMを放映したりする場合には、費用が高額になる可能性があります。

さらに、テレビCMはオフラインでの広告となるため、「どれくらいの視聴者に見てもらえたのか」「購買行動にどれくらいつながったのか」といった費用対効果の測定が難しいこともデメリットの一つです。



テレビCMにおける効果測定の方法

テレビCMの効果測定を行う代表的な方法には、以下が挙げられます。


テレビCMにおける効果測定の方法

  • モニター調査の実施
  • PRP(個人全体視聴率の総合計)の算出 
  • Webアクセスの分析 など


モニター調査とは、テレビCMを視聴してもらい感想についてアンケートを収集する方法です。テレビCMを見た印象や購買意欲の変化、好感度などを調査することで、年代・性別による評価の違いを比較できます。

また、PRPは特定の期間中に放映したテレビCMにおける各回の視聴率を合計した数値を指します。PRPが高いほど“多くの人にテレビCMを見てもらえている”ということになります。


PRPの計算式

PRP=番組の平均個人視聴率×テレビCMの放映回数

例えば、個人視聴率が10%の番組でテレビCMを5本放映した場合のPRPは、以下のように計算します。


視聴率10%の番組で5本のCMを放映した場合のPRP

10(%)×5(本)=50PRP


なお、指名検索数やWebサイトへのアクセス数など、Webデータを分析して効果測定を行う方法もあります。テレビCMを流す期間の前後でデータを測定し、どれくらい自社に興味を持ってもらえたか、テレビCMの効果を把握できます。



テレビCMの効果を引き出すポイント

テレビCMを活用して認知の拡大やブランドイメージの定着などにつなげるには、CMの種類と放映枠の選び方が重要なポイントとなります。


①ターゲット層が視聴する番組や時間帯に放映する

テレビCMを放映する際は、自社のターゲット層による視聴が期待できる番組や時間帯を選ぶことが重要です。

番組や時間帯、曜日などによってテレビの視聴者層は異なります。テレビCMを見てもらい成果につなげるには、ターゲット層がテレビを視聴する時間帯や興味関心などを想定して出稿方法を検討する必要があります。


ターゲット層に応じた番組や時間帯の選定例

ターゲット層
選定例
30~40代の会社員
通勤前と帰宅後となる平日の朝・夜の時間帯
子育て世帯の主婦・主夫
平日の昼~夕方、土日


②出稿目的に応じてテレビCMの種類を選ぶ

自社の出稿目的に応じてテレビCMの種類を選ぶこともポイントの一つです。

テレビCMには、出稿形態の異なる大きく4つの種類があります。それぞれCM枠の購入方法や尺、放映枠などが異なるため、「テレビCMでどのような効果につなげたいか」を踏まえて選ぶことが重要です。


テレビCMの種類

種類
概要
放映枠
ネットタイムCM
全国の系列局で放映される番組のスポンサー企業がCM枠に出稿する形態
30秒から
特定の番組内
ローカルタイムCM
各テレビ局の放送エリア内で放映される特定番組のスポンサー企業がCM枠に出稿する形態
30秒から
特定の番組内
スポットCM
CMを流す期間・時間帯を決めて、番組を指定せずに出稿する形態
15秒から
指定した時間帯
SAS
番組・放送日・本数などを指定して、15秒のCM枠に一本から出稿できる形態
15秒から
指定した番組・時間帯


ネットタイムCMとローカルタイムCMは、一定の期間において決まった番組内でテレビCMを放映できるため、長期的な広告運用でイメージの定着を図りたい場合や、番組の視聴者層を狙いたい場合などに適しています。

スポットCMは、テレビCMの放映期間を自由に定めて購入することが可能です。短期間で認知の拡大を図りたい場合や、季節商品の訴求、イベントの集客などを行いたい場合に適しています。

SASについては、1本単位で番組・時間帯を指定してCM枠を購入できることから、イベントや新商品の告知をしたり、費用を抑えて広告運用を行ったりする場合に活用できます。


③複数の広告媒体と組み合わせて運用する

テレビCMのデメリットを補ってより効果を高めるには、複数の広告媒体と組み合わせて運用することも重要といえます。

複数の広告媒体を用いて運用する手法には、メディアミックスやクロスメディアが挙げられます。


メディアミックスやクロスメディアの手法

メディアミックス

クロスメディア

複数の広告媒体で同じ内容の情報発信を行うことで、接触回数を増やして認知を拡大させる

複数の広告媒体を横断してそれぞれの特性を活かした訴求をおこなうことで、ターゲットに目的の行動を促す


テレビCM以外の広告媒体もうまく組み合わせてプロモーションを行うことで、ターゲット層へのリーチ数を増やして、より効率的に認知の拡大や購買行動の促進などを行えるようになります。



まとめ

この記事では、テレビCMについて以下の内容を解説しました。


  • テレビCMの概要
  • テレビCMのメリット・デメリット
  • 効果測定の方法
  • テレビCMの効果を引き出すポイント


テレビCMを活用すると、一度に多くの視聴者へリアルタイムなアプローチを行えることから、認知の拡大やブランドイメージの定着化、イベントの集客などを行いたい場合に有効です。ただし、ターゲティングの精度や費用、効果測定などには課題もあります。

テレビCMの効果を引き出すには、ターゲット層が視聴する番組や時間帯に放映するとともに、出稿目的に応じてCMの種類を選ぶこと、複数の広告媒体を組み合わせて運用することがポイントです。

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