テレビCMにかかる費用はどのくらい? 放映料を決定する要素や予算策定のポイント
テレビメディアを用いた広告(以下、テレビCM)は代表的な広告手法の一つです。近年、インターネット広告の市場規模が大幅に成長していますが、テレビCMの市場規模は日本の広告費全体の約4分の1を占めており、依然として企業のマーケティング施策として広く活用され続けています。
総務省の『令和5年版 情報通信白書』を見ると、インターネット広告費が拡大してもなお、テレビCMは10年前と変わらない数字を維持していることが分かります。
【媒体別】国内における広告費の推移
画像引用元:総務省『令和5年版 情報通信白書』
テレビCMは、不特定多数の視聴者にアプローチできる強みがあることから、企業または商材の認知拡大や購買意欲の促進、ブランドイメージの向上などに有効とされています。
広告会社や企業の広告宣伝担当者のなかには「テレビCMを出稿する際にどれくらいの費用がかかるのか」「何を考慮して予算を策定するとよいのか」と気になる方もいるのではないでしょうか。
この記事では、テレビCMにかかる費用や放映料を決定する要素、予算策定のポイントについて解説します。
出典:総務省『令和5年版 情報通信白書』
INDEX[非表示]
テレビCMの出稿にかかる費用
テレビCMの出稿にかかる費用は、主に制作費と放映料に分けられます。
CM制作費
CM制作費は、テレビCMの映像コンテンツを制作する費用を指します。
テレビCMの制作には、企画の立案から台本の作成、撮影、編集などの複数の工程を踏む必要があり、さまざまな費用が発生します。
テレビCMの制作にかかる主な費用項目
- 制作会社への依頼費用(企画・撮影・編集を外部に依頼する場合)
- 機材の調達費
- ロケーションの使用料
- タレントの出演料
- 社内の人件費 など
一般的な制作費の目安は以下となります。
制作費の目安
制作するテレビCMの種類 |
費用の目安 |
アニメーションCM |
70万~200万円 |
一般的な実写CM |
200万~500万円 |
ハイクオリティなCM |
500万円~ |
なお、映像コンテンツのクオリティや商材、起用するタレントなどによっても制作費用は変動します。
放映料
放映料は、制作したテレビCMをテレビ局で放映する際に必要になる費用です。テレビCMの種類や放映エリア、放映する時間帯などによって費用が変わります。
全国エリアでの放映や、1日のうち視聴者数が多いゴールデンタイム(19~22時)と呼ばれる時間帯で放映する場合などは、放映料が高くなることが一般的です。
テレビCMの放映料を決定する要素
テレビCMの放映料は、主に3つの要素によって変動します。ただし、一概に費用の目安を明記することはできないため、詳細は各テレビ局や代理店へお問い合わせください。
➀テレビCMの種類
テレビCMの種類には、主にネットタイムCM・ローカルタイムCM・スポットCM・SAS(Smart Ad Sales)の4つがあります。
テレビCMの種類
種類 |
概要 |
ネットタイムCM |
全国の系列局で放映される特定番組のスポンサー企業がCM枠に出稿する形態 |
ローカルタイムCM |
各テレビ局の放送エリア内で放映される特定番組のスポンサー企業がCM枠に出稿する形態 |
スポットCM |
CMを流す期間・時間帯を決めて、番組を指定せずに出稿する形態 |
SAS |
番組・放送日・本数などを指定して、15秒のCM枠に一本から出稿できる形態 |
ネットタイムCMとローカルタイムCMは、一定期間にわたって番組のスポンサー企業がCM枠に出稿するのに対して、スポットCMは短期間、SASは1本から出稿できる違いがあります。
『フジテレビ for Business』でご利用いただけるテレビCMの予算例は、以下のとおりです。
フジテレビ for Businessでの予算例
種類 |
予算例 |
ネットタイムCM |
4,000万~3億円 |
ローカルタイムCM |
1,300万~4,000万円 |
スポットタイムCM |
300万~2億円 |
SAS |
15万円~ |
番組や放送期間などの条件によって予算は変動します。詳しくはこちらのページをご確認ください。
②放映エリア
放映するエリアやテレビ局の種類によってテレビCMの放映料は変動します。
関東のキー局(※1)や関西の準キー局(※2)は、ほかのローカル局または独立局と比べて視聴者数が多いことから、テレビCMの放映料も高くなることが一般的です。
一方、費用を抑えつつ特定の地域やターゲットを絞ってテレビCMを放映したい場合には、ローカル局または独立局を選ぶ選択肢もあります。
エリアごとの放映料については各テレビ局へご確認ください。
※1…全国に番組を配信しており、系列の中心となるテレビ局のこと
※2…キー局の系列となる大阪・名古屋のテレビ局のこと
③放映される時間帯
テレビCMの放映料は、時間帯によっても変動します。
テレビ局によって区分は異なりますが、“タイムランク”と呼ばれる時間帯ごとの費用が定められており、主に以下の4つに分類されています。
テレビCMにおけるタイムランク
区分 |
費用のランク |
時間帯の例 |
Aタイム |
もっとも高い |
19~23時 |
特Bタイム |
Aタイムの次に高い |
12~14時、18~19時、23~25時 |
Bタイム |
Cタイムの次に低い |
7~10時、14~18時 |
Cタイム |
もっとも低い |
10~12時、25時~翌7時 |
深夜や早朝はテレビの視聴率が低くなりやすいため、放映料が安く設定されやすくなります。ただし、放映する時期や曜日などによって放映料が変動する場合があるため、詳細はテレビ局へお問い合わせください。
テレビCMの予算を策定する際のポイント
テレビCMの予算を策定する際は、出稿する目的やリーチしたいターゲットに応じてCMの種類やテレビ局、番組、時間帯などを選ぶことが重要です。
①テレビCMの出稿目的を明確にする
テレビCMによってどのような効果を得たいのか、出稿目的を明確にする必要があります。目的を明確にすることで、CMの種類やテレビ局、番組、時間帯などの狙いを定めやすくなり、費用対効果が期待できる出稿方法を検討できます。
テレビCMを出稿する目的の例
- 企業名や商材名の認知を拡大させる
- 店舗への来店やWebサイトへの訪問を促す
- ブランドイメージを向上させる など
また、目的を明確にしたあとは、広告を出稿する媒体について「テレビCMをなぜ選ぶのか」「インターネットでのCM配信を併用する必要はあるか」なども検討することがポイントです。
②ターゲットを設定する
どのような人にテレビCMを見て欲しいのか、出稿目的に応じたターゲットを設定することも重要です。
ターゲット層の視聴率が高い番組や時間帯、エリアを狙ってテレビCMの出稿方法を決定することで、「予算をかけたのにCMを見てもらえなかった」という失敗を防げます。
ターゲット層を踏まえた出稿方法の例
- 特定の地域限定の店舗やサービスを訴求する場合、放映エリアを絞る
- 学生や会社員に訴求する場合、帰宅後となる19時~24時の時間帯に放映する
- 主婦・主夫に訴求する場合、午前中や夕方の時間帯に放映する
- 商材と関連性のある番組で放映する など
まとめ
この記事では、テレビCMの費用について以下の内容を解説しました。
- テレビCMの出稿にかかる費用
- 放映料を決定する要素
- テレビCMの予算を策定する際のポイント
テレビCMの出稿には制作費と放映料がかかり、制作するCMのクオリティや放映するCMの種類やテレビ局、時間帯などによって費用が変動します。
費用だけを重視すると期待する効果を得られない可能性があるため、出稿目的やターゲットに合った出稿方法を選択して予算を組むことが重要です。
『フジテレビ for Business』では、地上波のテレビやインターネット動画配信サービスでのCM出稿をサポートしています。ニュース番組やバラエティー番組、ドラマ番組などの多彩な番組のなかから、貴社の出稿目的・商材にマッチしたプロモーションを行えます。
詳しくは、こちらの資料をご確認ください。