テレビCMの尺や時間帯はどのように決まる? 放映枠を選ぶ際のコツ
テレビCMは、テレビ番組の視聴者に対してプロモーションを行える広告媒体です。企業の認知拡大や購買意欲の喚起、ブランドイメージの向上などに有効な施策として取り入れられています。
テレビCMには、放映できる尺や時間帯などが異なるいくつかの出稿形態があるため、特徴を理解しておくことが重要です。
広告会社や企業の広告宣伝担当者のなかには、「テレビCMの尺や時間帯はどのように決まるのか」「自社に合った放映枠をどのように選べばよいのか」と疑問を持つ方もいるのではないでしょうか。
この記事では、テレビCMの尺と放映の時間帯、自社に合った放映枠を選ぶ際のコツについて解説します。
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【種類別】テレビCMの尺と放映の時間帯
テレビCMの出稿形態は、大きく3つの種類に分けられます。それぞれ尺や放映される時間帯などが異なります。
➀タイムCM
タイムCMは、番組のスポンサー企業が番組内のCM枠に出稿する形態です。
特定の番組放送中に「この番組は○○の提供でお送りします」といったアナウンスが流れたり、社名や企業ロゴなどが表示されたりします。
タイムCMの尺と放映される時間帯
尺 |
放映される時間帯 |
30秒・60秒・90秒 |
特定の番組が放送される時間帯 |
タイムCMは、一定期間の契約を締結して毎週同じ番組でCMを放映することが可能です。番組の視聴者が繰り返しCMを目にする機会が増えるため、記憶に残りやすく認知拡大の効果が期待できます。
また、放映するエリアによって“ネットタイムCM”と“ローカルタイムCM”の2種類に分類されます。
ネットタイムCMとローカルタイムCM
ネットタイムCM |
ローカルタイムCM |
全国の系列局で同時に放送される番組のCM枠を購入する方法 |
各テレビ局の放送エリアに限定された番組のCM枠を購入する方法 |
②スポットCM
スポットCMは、番組を指定せずに特定の期間を定めてCMを出稿する形態です。
番組放送中に流れるスポンサー企業以外のCM枠(PT:Participating commercial)と、前番組と次番組の間に流れるCM枠(SB:Station Break)で放映されます。
タイムCMのような全国の系列局での放映はなく、放映エリアが限定された各テレビ局でCM枠を購入します。
スポットCMの尺と放映される時間帯
尺 |
放映される時間帯 |
15秒から |
個別に設定可能 |
放映される時間帯には、主に4つの露出パターンがあります。
スポットCMの露出パターン
露出パターン |
概要 |
1.全日型 |
平日・休日の全時間帯でCMを放映する |
2.ヨの字型 |
平日の朝・昼・夜と休日の全時間帯にCMを放映する |
3.コの字型 |
平日の朝・夜と休日の全時間帯にCMを放映する |
4.逆L字型 |
平日の夜と休日の全時間帯にCMを放映する |
スポットCMでは、放映する期間・曜日・時間帯・出稿本数などを個別に設定できることから、期間限定のキャンペーンやイベント情報を告知したい場合に有効です。
③SAS(Smart Ad Sales)
SAS(Smart Ad Sales)は、テレビ局のCM枠を1本単位で購入できる形態です。タイムCMやスポットCMでは、CMの放映に一定の契約期間が設定されますが、SASの場合は単発での購入ができます。
SASの尺と放映される時間帯
尺 |
放映される時間帯 |
15秒から |
個別に設定可能 |
SASでは、企業がCMを放映する時間帯・曜日・本数などを選択して1日1枠から購入できるため、限られた予算内でターゲット層に訴求したい場合や、ほかの媒体と組み合わせて活用したい場合などに有効です。
テレビCMの放映枠を選ぶ際のコツ
テレビCMで成果につなげるには、時間帯ごとの放映料やターゲット層が興味を持つ番組、自社の出稿目的などを踏まえて放映枠を選択することが重要です。
➀タイムランクに応じて予算を組む
テレビCMの予算を策定する際は、タイムランクを考慮する必要があります。タイムランクとは、平日・休日におけるテレビの時間帯ごとに設定された視聴率のランクを指します。
テレビCMにおけるタイムランク
区分 |
視聴率 |
時間帯の例 |
Aタイム |
高い |
19~23時 |
特Bタイム |
Aタイムの次に高い |
12~14時、18~19時、23~25時 |
Bタイム |
Cタイムの次に低い |
7~10時、14~18時 |
Cタイム |
低い |
10~12時、25時~翌7時 |
期待できる視聴率が高いAタイムや特Bタイムは、BタイムまたはCタイムと比べて放映料が高く設定されやすくなります。
テレビCMを放映する時間帯を選択する際は、ターゲット層の属性を踏まえたうえで「どの時間帯を狙えばCMを見てもらえるか」を想定することがコツです。
なお、タイムランクの区分や放映料はテレビ局によって異なるため、詳細は各テレビ局へご確認ください。
テレビCMの費用についてはこちらの記事で解説しています。
②ターゲット層が興味を持つ番組を分析する
番組を選んでスポンサー企業としてタイムCMを放映する場合には、ターゲット層が興味を持つ番組を分析することもコツの一つです。
自社のターゲット層が興味関心を抱きやすい番組を選んでタイムCMを放映することで、効率的にリーチできるようになり、費用対効果の向上につながります。
番組を分析する際は、視聴者層を年代別に分類したターゲティングの方法を活用することが可能です。
番組におけるターゲット層の分類と特徴
番組のターゲット層 |
概要 |
視聴されやすい番組の特徴 |
|
C層 |
4〜12歳までの子ども |
子ども向けのアニメ番組やクイズ番組 など |
|
T層 |
13〜19歳までの若者層 |
アニメ、バラエティ番組、トレンドや話題性のあるテーマの番組 など |
|
F層 |
F1層 |
20〜34歳の女性 |
音楽番組、ドラマ、深夜帯のバラエティ番組 など |
F2層 |
35〜49歳の女性 |
子育てや健康、貯蓄に関するテーマの番組、ドラマ、映画、ニュース など |
|
F3層 |
50歳以上の女性 |
ニュース、健康・趣味・娯楽に関するテーマの番組 など |
|
M層 |
M1層 |
20〜34歳の男性 |
音楽番組、ドラマ、深夜帯のバラエティ番組、スポーツ番組 など |
M2層 |
35〜49歳の男性 |
ニュース、バラエティ番組、趣味・娯楽に関するテーマの番組 など |
|
M3層 |
50歳以上の男性 |
ニュース、健康・趣味・娯楽に関するテーマの番組 など |
③出稿目的に応じて尺を選ぶ
何のためにテレビCMを放映するのかを考えて、出稿目的に応じて尺を選ぶことが重要です。
出稿目的に応じた尺の選び方
出稿目的 |
適した尺 |
新商品・サービスの認知拡大 |
15秒 |
イベントやセールの告知 |
15秒 |
新商品・サービスの説明、ブランドイメージの醸成 |
30秒 |
より詳細な情報提供、話題化 |
60秒・90秒 |
タイムCMは基本的に30秒以上からCM枠を購入するため、15秒の尺で放映したい場合にはスポットCMまたはSASを選ぶ必要があります。
また、ターゲット層にテレビCMを最後まで見てもらうには、訴求したい情報量や放映する時間帯なども踏まえて尺を検討することもコツです。
まとめ
この記事では、テレビCMの放映について以下の内容を解説しました。
- テレビCMの尺と放映の時間帯
- テレビCMの放映枠を選ぶ際のコツ
テレビCMには、タイムCM・スポットCM・SASの3種類があり、それぞれ放映できる尺や時間帯に違いがあります。
特定の番組内において継続的にテレビCMを放映したい場合には、タイムCMが適しています。一方、番組を固定せずに時間帯や曜日などを設定したい場合は、スポットCMまたはSASが向いています。
どのような出稿方法にするか決める際は、時間帯ごとの放映料やターゲット層が興味を持つ番組、自社の出稿目的などを踏まえて放映枠を選ぶことがコツです。
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