テレビの視聴率に関する基礎知識。CM出稿時に知っておきたい活用法
テレビ放送には、テレビ番組の視聴量を導き出す指標として視聴率があります。この指標はテレビ番組の制作においてだけではなく、併せて放映されるテレビCMにおいても重要です。
テレビCMの出稿を検討している広告宣伝担当者のなかには、「テレビの視聴率について基礎が知りたい」「視聴率はCMの出稿にどのように活用できるのか」などとお考えの方もいるのではないでしょうか。
この記事では、テレビの視聴率について概要や種類、測定方法、CM出稿時の活用方法を解説します。
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テレビの視聴率とは
視聴率とは、テレビの番組・CMの視聴量を示す指標の一つです。視聴率を測定することで、その番組・CMがどのくらい見られたのかを確認できます。
ただし、一部世帯の調査結果から統計的に算出されるため、視聴率の数値にはある程度の誤差が生じる可能性もあります。
テレビにおける視聴率の種類
テレビにおける視聴率には、世帯視聴率や個人視聴率をはじめ、さまざまな種類が存在します。
世帯視聴率(GRP)
世帯視聴率とは、テレビ所有世帯のうち該当の番組・CMを表示していた世帯がどのくらいあったのかを示す割合です。また、世帯視聴率の合計をGRPと呼びます。
なお、世帯視聴率ではあくまでも世帯数をカウントするため、詳細な視聴人数までは把握できません。
個人視聴率(PRP)
個人視聴率とは、世帯における4歳以上の個人一人ひとりについて、それぞれがどのくらい番組・CMを視聴していたかを示す割合です。また、個人視聴率の合計をPRPと呼びます。
個人視聴率は、性別・年齢などで区分されるため、世帯視聴率と比べてより細かな効果測定が可能です。
個人視聴率の区分
名称 |
区分条件 |
ALL |
男女4歳以上 |
C |
男女4~12歳 |
T |
男女13~19歳 |
M1 |
男性20~34歳 |
M2 |
男性35~49歳 |
M3 |
男性50歳以上 |
F1 |
女性20~34歳 |
F2 |
女性35~49歳 |
F3 |
女性50歳以上 |
そのほかの視聴率
テレビの視聴率においては、世帯視聴率や個人視聴率のほかにも以下の指標があります。
そのほかの視聴率の例
名称 |
概要 |
番組平均視聴率 |
毎分の視聴率を平均した数値 |
瞬間最高視聴率 |
毎分の視聴率のうち、最も高かった数値 |
リアルタイム視聴率 |
番組が放送されていた時間にリアルタイムで見られた数値 |
タイムシフト視聴率 |
番組放送から7日以内のタイムシフトでの視聴率 |
全国視聴率 |
日本全国32放送エリアデータを合計した視聴率 |
総合視聴率 |
リアルタイム視聴とタイムシフト視聴いずれかでの視聴を表す指標 |
P+C7(スポット取引指標) |
リアルタイム視聴率と放送から7日間以内のCM部分の延べタイムシフト視聴率を足した指標 |
視聴率は分単位で記録されており、番組内における平均値を平均視聴率、最高値を瞬間最高視聴率と呼びます。
また、番組やCMが放送されていた時間における視聴を計測したリアルタイム視聴率とは別に、録画での視聴を示すタイムシフト視聴率も記録されています。
視聴率の測定方法
現在、視聴率の測定方法としてPM(ピープルメーター)システムが利用されています。PMシステムとは、“ピープルメータ”と呼ばれる測定器を用いて視聴率を測定する方法です。ピープルメータは視聴率の調査に協力する世帯に設置されます。
調査世帯でテレビの視聴を行う際は、PMシステムのリモコンボタンを通じて視聴者の属性情報を入力します。そのため、世帯視聴率だけでなく個人視聴率も測定できます。
PMシステムによる視聴率調査
画像引用元:一般社団法人日本民間放送連盟『テレビ営業の基礎知識2024』
取得した視聴データは、音声を数値・コードに置き換える“フィンガープリント化”を施して使用されます。
出典:一般社団法人日本民間放送連盟『テレビ営業の基礎知識2024』
テレビCMの出稿時における視聴率の活用法
テレビCMの出稿時に視聴率を活用すると、テレビCMの放映枠を目的を持って選びやすくなります。また、効果検証を行う際にも視聴率が活用できます。
なお、テレビCMの放送枠を選ぶ際のコツについてはこちらの記事で詳しく解説しています。併せてご確認ください。
①年代・性別ごとの視聴率を基に出稿する
年代・性別ごとの個人視聴率を基にテレビCMの出稿を行うことで、自社の商品が想定するターゲット層に訴求しやすくなります。
個人視聴率を基にした出稿の例
- C層(男女4~12歳)の視聴率が多い時間帯に玩具・ゲームのCMを放映する
- F1層(女性20~34歳)の視聴率が高い番組にコスメのCMを出稿する など
ただし、ファミリー層のように複数の年代・性別が含まれるターゲットの場合には、世帯内の誰に訴求すると購入につながりやすいのかを詳しく検討する必要があります。
②時間帯ごとに見込める視聴率を基に出稿する
視聴率は時間帯ごとにある程度見込まれる数値が決まっているため、それを踏まえて出稿する必要があります。
テレビ局では、総個人視聴率の分布状況を基準にテレビCMの放映枠をランク分けしています。ただし、ランクが高いほど出稿にコストがかかるため、自社の予算内でより効果が見込める出稿パターンを検討する必要があります。
時間帯ごとに出稿先を選ぶスポットCMにおいては、主に以下の出稿パターンが存在します。
スポットCMの出稿パターン
時間帯 |
特徴 |
|
逆L |
平日の夜と休日の全時間帯 |
在宅率の最も高いゾーンを組み合わせた取り方 |
コの字 |
平日の朝・夜と休日の全時間帯 |
出社・登校前のビジネスパーソンや学生への訴求が期待できる |
ヨの字 |
平日の朝・昼・夜と休日の全時間帯 |
昼食の時間や昼休みにも訴求を行える |
全日 |
平日・休日の全時間帯 |
幅広い層への露出量を確保できる |
③効果検証を実施して出稿方法を調整する
個人視聴率を活用すると、テレビCMの効果検証を効率的に行えます。CMを出稿した時間帯や番組の個別視聴率から、自社のテレビCMがターゲットにリーチできているかどうかを確認できます。
効果検証を行ったあとは、出稿方法の調整を行うことでテレビCMでの効率的なリーチが期待できます。
まとめ
この記事では、テレビの視聴率について以下の内容を解説しました。
- テレビにおける視聴率の概要
- テレビにおける視聴率の種類
- 視聴率の測定方法
- テレビCMの出稿時に視聴率を活用する方法
視聴率とは、テレビの番組・CMの視聴量を示す指標の一つです。視聴率には世帯視聴率や個人視聴率をはじめ、さまざまな種類が存在します。視聴率の測定はPMシステムによって行われ、音声信号により解析されます。
また、テレビCMの出稿時に視聴率を活用すると、テレビCMの放映枠を目的を持って選びやすくなるほか、効果検証や効率的なリーチが期待できるようになります。
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