キー局とは。ローカル局を含む放送局との違いを理解しよう
テレビCMの出稿先となる民間放送局は、いくつかの種類に分けられます。そのなかでも特に全国放送の番組において重要な役割を担う放送局がキー局です。
広告会社や企業の広告宣伝担当者のなかには、「キー局とローカル局は何が違うのか」「テレビCMの出稿先にはどの放送局を選べばよいのか」などとお考えの方もいるのではないでしょうか。
この記事では、キー局の概要やほかの放送局との違い、テレビCMの放送局を選ぶ際のポイントについて解説します。
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キー局とは
キー局とは、全国に番組を発信する民間放送局のことです。英語の“key station”に由来しており、放送ネットワークの中心となる放送局を指します。
具体的には東京に所在する以下の放送局が該当します。
キー局と呼ばれる放送局
- フジテレビジョン
- 日本テレビ放送網
- TBSテレビ
- テレビ朝日
- テレビ東京
民間放送局のサービスエリアは県単位を基本とした一定の地域に限られています。そのため、キー局では各エリアにある自社系列の放送局とネットワークを形成することで、制作した番組の全国放送を実現しています。
キー局以外の放送局との違い
民間放送局には、キー局以外にも準キー局やローカル局、独立U局などの放送局があり、放送ネットワーク上での立ち位置が異なります。
放送ネットワークにおける各放送局の立ち位置
放送局 |
立ち位置 |
キー局 |
番組を制作して、系列局を通じて全国放送する |
準キー局 |
キー局の番組を放送するほか、自社でも系列局で放送する番組を制作する |
ローカル局 |
系列のキー局・準キー局で制作した番組を各地で放送して全国放送を実現する |
独立U局 |
放送ネットワークとは独立して番組を放送する |
準キー局
準キー局とは、キー局に次ぐ規模を持つ放送局のことです。大阪に所在する在阪広域局と、名古屋に所在する在名広域局が該当します。
準キー局と呼ばれる放送局
在阪広域局(大阪) |
在名広域局(名古屋) |
|
|
準キー局でもキー局と同様に、系列局のエリアでの番組の放送を行っています。また、テレビCMの放映料についてはキー局よりも抑えやすいとされます。
ローカル局
ローカル局とは、キー局・準キー局の系列に属する各エリアの放送局全般を指します。基本的にはキー局・準キー局で制作された番組を、自社のエリア内で放送します。
ただし、地域に関連した“ローカル番組”を制作して放送するケースもあります。
ローカル局と呼ばれる放送局の例
系列 |
例 |
FNN系列(フジテレビジョン) |
仙台放送、長野放送、岡山放送 など |
NNN系列(日本テレビ放送網) |
福島中央テレビ、山梨放送、広島テレビ放送 など |
JNN系列(TBSテレビ) |
東北放送、チューリップテレビ、熊本放送 など |
ANN系列(テレビ朝日) |
北陸朝日放送、静岡朝日テレビ、長崎文化放送 など |
TXN系列(テレビ東京) |
テレビ北海道、テレビせとうち、TVQ九州放送 など |
ローカル局にテレビCMを出稿する場合、限られた地域でのみ放映されることから地域に密着した企業や店舗の訴求に向いています。また、準キー局よりもさらに放映料を抑えられる点も特徴です。
独立U局
独立U局とは、キー局・準キー局の系列に属さない放送局です。以下の13局があります。
独立U局と呼ばれる放送局
- とちぎテレビ
- 群馬テレビ
- テレビ埼玉
- 千葉テレビ放送
- 東京メトロポリタンテレビジョン
- テレビ神奈川
- 岐阜放送
- 三重テレビ放送
- びわ湖放送
- 京都放送
- サンテレビジョン
- 奈良テレビ放送
- テレビ和歌山
独立U局ではキー局の番組は放送せず、地域に特化した番組を放送します。そのため、よりターゲットを絞ったテレビCMの出稿が行いやすいといえます。
BS・CS・インターネットテレビ局
そのほかの放送局として、BS放送事業者CS放送事業者、インターネットテレビ局などが挙げられます。
そのほかの放送局
放送局 |
概要 |
BS放送事業者 |
放送衛星を利用したBS放送を行う事業者 |
CS放送事業者 |
通信衛星を利用したCS放送を行う事業者 |
インターネットテレビ局 |
インターネット上で番組を配信する事業者 |
BS放送にはキー局をはじめとするさまざまな事業者が参入しています。CMの出稿においてはキー局よりもコストを抑えながら全国に放映できる点がメリットです。
CS放送は特定のジャンルに特化した有料チャンネルが多いため、そのジャンルに強い興味がある層をターゲットとするCMの出稿先に向いています。
インターネット上で番組の配信を行うサービスにおいても、CM枠を設けているケースがあります。テレビCMと比較して若年層にリーチしやすい点が特徴といえます。
テレビCMの放送局を選ぶ際のポイント
テレビCMの出稿を行う際は、出稿目的や予算を考慮して放送局を選定することが重要です。
①出稿目的に合わせて対象エリアを決める
テレビCMの出稿目的によって、適切な放映対象エリアは異なります。
対象エリアと出稿目的の例
対象エリア |
出稿目的の例 |
全国・関東 |
|
地方 |
|
目的に合った対象エリアが全国や人口の多い関東地域であればキー局、地方であればローカル局や独立U局での出稿が有効といえます。
②予算を抑えやすいローカル局から始める
テレビCMの出稿を行う際は、最初からキー局に出稿するのではなく、予算を抑えやすいローカル局から始める方法も考えられます。
キー局に出稿するとより多くの視聴者に訴求しやすい一方で、コストがかかりやすいことから成果が出なかった際のリスクもあります。
ローカル局で視聴者からの反響を確認してからキー局に切り替えることで、リスクを抑えることが可能です。
まとめ
この記事では、キー局について以下の内容を解説しました。
- キー局の概要
- キー局とそれ以外の放送局との違い
- テレビCMの放送局を選ぶ際のポイント
キー局とは、全国に番組を発信する民間放送局のことです。キー局にテレビCMを出稿することで、全国および人口が集中する関東地域でテレビCMを放映できます。そのため、より多くの視聴者への認知拡大やブランディングが可能です。
ただし、地域住民にターゲットを絞ったテレビCMの場合はキー局以外での放映が有効です。また、地方で放映して効果測定を行ってからキー局に出稿する方法もあります。
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