
動画広告で期待される効果とは。配信方法の種類や媒体を選ぶ際のポイント
近年、日本のデジタル広告市場が成長を続けています。総務省の『令和6年版 情報通信白書』によると、2021年以降においてインターネット広告の広告費は年々伸びていることが報告されています。
日本における媒体別広告費の推移
画像引用元:総務省『令和6年版 情報通信白書』
2012年では8,680億円だったインターネット広告費が、約10年後の2023年には3兆3,330億円と約4倍近くに拡大しています。
そうしたなか、インターネット広告においてユーザーへの高い訴求効果が期待できる配信形態として“動画広告”が注目されています。
この記事では、企業の広告宣伝担当者に向けて、インターネット広告の一種となる動画広告の効果や種類、出稿できる媒体、制作方法などについて解説します。
なお、広告の種類についてはこちらの記事で詳しく解説しています。
出典:総務省『令和6年版 情報通信白書』
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動画広告が持つ効果
動画広告は、WebサイトやSNS、動画配信サービスなどに動画形式で配信する広告です。インターネットを介してオンラインで広告を配信します。
映像・音声を用いて動きのある広告コンテンツを配信できるため、画像やテキストを用いた広告と比べてさまざまな効果があります。
動画広告が持つ効果
- 短時間で多くの情報を伝えられる
- ストーリーを立てて感情に訴えられる
- 無形商材のイメージを構築できる など
動画広告では、映像・アニメーション・ナレーションなどを利用して短時間で多くの情報を分かりやすく表現することが可能です。静止した広告よりも視聴者の目を惹きやすく、商材の魅力・特徴を直感的に伝えられる効果があります。
また、動画広告にはストーリー性を持たせることが可能です。視聴者の感動や共感を誘うストーリーをつくり感情面に訴えかけることで、興味関心を惹きつけたり、記憶に残りやすくなったりする効果が期待できます。
さらに、画像やテキストでは特徴が伝わりにくい無形商材でも、利用シーンや仕組みを動画で視覚化することにより価値を伝えられます。
なお、動画広告を含むインターネット広告とテレビCMの違いについては、こちらの記事で解説しています。
動画広告の種類
動画広告は、配信する広告枠の場所によってインストリーム広告とアウトストリーム広告の2種類に大別されます。
➀インストリーム広告
インストリーム広告は、動画配信サービスや動画共有プラットフォームなどの動画コンテンツの前後または途中に配信される動画広告を指します。配信されるタイミングによって3つに分類されます。
インストリーム広告の配信タイミング
分類 |
配信タイミング |
プレロール |
動画コンテンツの再生時 |
ミッドロール |
動画コンテンツの途中 |
ポストロール |
動画コンテンツの終了後 |
動画コンテンツの視聴中に同じ画面上で広告が表示されるため、受動的に広告を見てもらいやすくなります。
②アウトストリーム広告
アウトストリーム広告は、WebサイトやSNS、アプリケーションなどの広告枠に配信される動画広告です。バナーやフィードなどに表示されるため、インターネットを利用する幅広いユーザーにアプローチを行えます。
動画広告が表示される場所によって3種類に分類されます。
アウトストリーム広告の種類
種類 |
動画広告が表示される場所 |
インリード広告 |
記事コンテンツ内やSNSのフィード間 |
インバナー広告 |
Webサイトにあるバナー形式の広告枠 |
インターステイシャル広告 |
Webサイトのページが切り替わるときやアプリケーションを読み込む際の端末画面 |
インリード広告では、WebサイトやSNSのコンテンツに溶け込むように動画広告を表示できるため、自然に認知の拡大を図れます。
インバナー広告は、ページを開いた時点で動画が再生されるため、Webサイトに訪れた幅広いユーザーにリーチすることが可能です。
インターステイシャル広告は、端末画面の一面に動画広告が表示されることから、ユーザーとの接触率を高められます。
動画広告を出稿できる媒体
動画広告は、さまざまな媒体に出稿することが可能です。媒体によって配信される形式や広告枠の仕組みなどが異なります。
動画広告の主な出稿媒体
- TVer(※1)
- YouTube(※2)
- Facebook(※3)
- Instagram(※4)
- X(旧Twitter(※5))
- LINE(※6)
- TikTok(※7) など
上記のうちTVerは、通常のテレビCMと同じようなタイミングで動画広告を配信することが可能です。テレビを見ている感覚で動画広告を届けられるため、最後まで視聴されやすく、嫌悪感を抱かれにくくなります。
また、TVerのアンケートで登録されたユーザー情報を基にターゲティング配信を行えるため、テレビCMでは難しかった的確なアプローチを実施できます。
なお、TVer広告についてはこちらの記事をご確認ください。
※1…TVerおよびTVerのロゴは、株式会社TVerの登録商標または商標です。
※2…YouTubeおよびYouTubeのロゴは、Google LLCの登録商標または商標です。
※3…Facebookの商標およびロゴは、Meta Platforms, Inc.の登録商標または商標です。
※4…Instagramの商標およびロゴは、Meta Platforms, Inc.の登録商標または商標です。
※5…X(旧Twitter)およびX(旧Twitter)のロゴは、X Corp.(旧Twitter, Inc.)の登録商標または商標です。
※6…LINEおよびLINEのロゴは、LINEヤフー株式会社の登録商標または商標です。
※7…TikTokおよびTikTokのロゴは、ByteDance Ltd.またはその関連会社の登録商標または商標です。
動画広告を出稿する媒体を選ぶポイント
動画広告を配信する際は、ユーザーの属性や課金方式、配信タイミングを確認して、広告キャンペーンの目的に適した媒体を選ぶことがポイントです。
➀ユーザーの属性
動画広告の効果的な運用につなげるには、リーチしたいターゲットとユーザー属性が類似している媒体を選定する必要があります。
動画共有・配信サービスでは、YouTubeをはじめとするオンデマンド型の動画共有サービスの利用率が10~40代で90%を超過しています。
【年代別】動画共有・配信サービスの利用率
画像引用元:総務省『令和5年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書』
民放が提供するTVerは“オンデマンド型の放送番組配信サービス”に該当しており、20~50代で40%以上、10代と60代では35%以上の利用率に達しています。
幅広い世代で動画共有・配信サービスが利用されている背景の一つには、インターネットに接続された“コネクテッドTV”の広がりが挙げられます。コネクテッドTVを活用した広告については、こちらの記事をご確認ください。
出典:総務省『令和5年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書』
②課金方式
動画広告の課金方法は媒体によって異なるため、事前に仕組みを理解しておくことが欠かせません。一般的な課金方式には、以下が挙げられます。
動画広告の一般的な課金方式
課金方式 |
概要 |
CPC(Cost Per Click) |
広告のクリックごとに課金される |
CPV(Cost Per View) |
視聴回数に応じて課金される |
CPM(Cost Per Mile) |
表示回数1,000回ごとに課金される |
③配信のタイミング
動画広告が配信されるタイミングを確認しておく必要があります。
例えば、動画コンテンツの途中に長尺の広告を配信する場合、視聴の妨げとなってしまいユーザーがストレスを感じてしまう可能性があります。
リーチの獲得数だけでなく、「視聴を受け入れてもらいやすいか」「興味関心を抱いてもらえるか」などユーザー側の利便性も考慮して配信するタイミングを選定することが重要です。
動画広告を制作する方法
動画広告を制作する際は、自社の出稿目的やターゲットを明確にしたうえで、媒体の特性に合わせたコンテンツの構成・再生時間を決める必要があります。
動画広告を制作する流れ
- 出稿目的を踏まえてターゲットを設定する
- 伝えたいメッセージを決める
- 媒体や動画の種類を決める
- 構成を決めて絵コンテを作成する
- 動画の撮影や編集を行う
動画広告の出稿目的には、商材の認知拡大やWebサイト・ECサイトへの誘導、購買行動の促進、ブランド想起の獲得などが考えられます。
また、「誰に広告を届けたいのか」といったターゲットを設定することで、動画広告の訴求軸が定まりアプローチに適した媒体の選定と構成の制作が行えるようになります。
まとめ
この記事では、動画広告について以下の内容を解説しました。
- 動画広告が持つ効果
- 動画広告の種類
- 動画広告を出稿できる媒体
- 動画広告を出稿する媒体を選ぶポイント
- 動画広告を制作する方法
動画広告は、映像・音声を用いたコンテンツで商材の魅力を直感的に伝えられることから、画像・テキストだけの広告と比べて訴求力を高められます。
ただし、媒体によってユーザー属性や課金方式、配信のタイミングなどが異なります。自社の出稿目的やターゲットを明確にしたうえで、促したい行動に合わせて媒体を選定することが重要です。
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