スポットCMとは。出稿の仕組みを知って宣伝活動に活用するには
テレビCMは、幅広い視聴者に対して一斉にアプローチできる広告手法です。商品の宣伝やブランディング、イベントの告知などさまざまな施策で取り入れられています。
テレビCMでは、出稿形態によって放送枠や契約方法が異なるため、目的や予算に合わせて選ぶことがポイントです。なかでも代表的な出稿形態の一つに“スポットCM”があります。
広告会社や企業の広告宣伝担当者のなかには、「スポットCMはどのような方法で出稿するのか」「どのようなメリット・デメリットがあるのか」など気になる方もいるのではないでしょうか。
この記事では、スポットCMの概要や出稿の仕組み、メリット・デメリット、主な出稿パターンについて解説します。
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スポットCMとは
スポットCMとは、番組を指定せず特定の時間帯を選定してCMを放送する出稿形態です。各地のテレビ局が指定するCMの放送枠を購入する必要があります。
スポットCMの放送枠には、2つの種類があります。
スポットCMの放送枠
種類 |
特徴 |
PT(Participating commercial) |
番組中に流れるスポンサー提供以外によるCMの放送枠 |
SB(Station Break) |
前番組と次番組の間に流れるCMの放送枠 |
時間帯による視聴者層を踏まえて、CMを放送するゾーンと放送期間を選定できます。主に短期間での認知拡大を図ったり、期間限定のキャンペーンやイベントを告知したりする目的で活用されています。
なお、スポットCMのほかにもタイムCMやSASといった出稿形態があります。詳しくは、こちらの記事をご確認ください。
スポットCMを出稿する仕組み
スポットCMでは、放送する期間や時間帯、発注金額などを広告主が自由に設定できる仕組みとなっています。
スポットCMの仕組み
項目 |
スポットCMの仕組み |
契約期間 |
自由に設定可能 |
出稿単位 |
15秒~ |
放送エリア |
各放送局のエリア |
予算の組み方 |
キャンペーンごとに設定可能 |
番組内で提供社が表示されるタイムCMの場合、原則として2クール(6ヶ月間)の契約と固定予算を確保する必要があるのに対して、スポットCMでは柔軟に期間・予算を設定できることが特徴です。
スポットCMのメリット・デメリット
スポットCMは、広告主のキャンペーンに沿った柔軟な運用がしやすい一方で、放送エリアや予算の準備などに注意点があります。
メリット
スポットCMのメリットには、以下が挙げられます。
メリット
- 短期間で集中的な露出を行える
- 放送枠を分散して低視聴率のリスクを抑えられる
- 予算の調整がしやすい など
スポットCMでは、放映する時期・期間・時間帯を自由に設定できるため、短期間かつ集中的にCMを放送することが可能です。これにより、幅広い視聴者層へスピーディな訴求を行えるだけでなく、時間帯を設定して狙ったターゲット層に訴求できます。
また、平日・休日や早朝・日中・深夜の放送枠を分散してCMを流すことにより、特定の時間帯で視聴率が低くなった場合のリスクを抑えられます。
さらに「キャンペーン期間中だけCMを放映する」「新商品の発売に合わせてCMを放映する」など放送枠を柔軟に設定することで、予算を調整しやすいこともメリットの一つです。
デメリット
スポットCMには、以下のデメリットがあります。
デメリット
- 全国規模で同時間帯のアプローチが難しい
- 番組のイメージと連動した訴求ができない
- シーズンごとに料金相場が変動する など
スポットCMは、各局の放送エリアに限定して放送されることから、全国の系列局で同時間帯にアプローチすることは難しくなります。
また、CMを放送する番組を指定できないため、番組のジャンルや視聴者層と関連づけてアピールしたい場合には適していません。
さらに、テレビ局へのスポットCMの発注量が増える時期・少なくなる時期によって、料金の相場が変動します。そのため、KPI達成に必要な予算を固定費で算出することが難しくなります。
スポットCMの出稿パターン
各放送局が販売しているスポットCMの放送枠には、平日・休日と時間外で区分された5つの出稿パターンがあります。
スポットCMの出稿パターン
出稿パターン |
CMを放送する時間帯 |
全日型 |
平日・休日の全時間帯 |
逆L型 |
平日の夜と休日の全時間帯 |
ヨの字 |
平日の朝・昼・夜と休日の全時間帯 |
コの字 |
平日の朝・夜と休日の全時間帯 |
一の字 |
夜の時間帯 |
自社商品の特性やターゲット層を踏まえて、より多くの視聴者にCMを露出できる出稿パターンを選定することがポイントです。
なお、テレビCMの費用対効果を高めるコツについては、こちらの記事で解説しています。併せてご確認ください。
まとめ
この記事では、スポットCMについて以下の内容を解説しました。
- スポットCMの概要
- スポットCMを出稿する仕組み
- スポットCMのメリット・デメリット
- スポットCMの出稿パターン
スポットCMは、広告主が出稿の時期・期間・時間帯・発注金額などを自由に設定できることから、目的と予算に合わせて柔軟な運用がしやすくなります。
短期間で集中的にCMを放送して認知の拡大を図ったり、期間限定のキャンペーンやイベントの告知をしたりする際に有効といえます。
スポットCMを出稿する際は、平日・休日や時間帯による視聴者層を踏まえたうえで、自社商品の特性、出稿目的に合わせて放送枠を選ぶことがポイントです。
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