タイムCMとは。広告効果の向上を狙うための出稿ポイント
テレビ番組の放送中に「この番組は○○の提供でお送りします」という表示を見ることがあります。これは“タイムCM”と呼ばれるテレビCMにおける出稿形態の一種となり、番組の視聴者層にアプローチできる広告として活用されています。
広告会社や企業の広告宣伝担当者のなかには、「タイムCMの出稿はどのような仕組みになっているのか」「効果的に運用するポイントはあるか」など気になる方もいるのではないでしょうか。
この記事では、タイムCMの概要や出稿の仕組み、メリット・デメリット、広告効果を高めるポイントについて解説します。
INDEX[非表示]
タイムCMとは
タイムCMとは、番組の提供スポンサーが番組内のCM放送枠に出稿する広告です。番組の放送中に「○○の提供でお送りします(しました)」といったアナウンスが流れたり、社名や企業ロゴが表示されたりすることが特徴です。
特定の番組を選定して、一定期間にわたって自社のCMを放送できることから、視聴者の記憶に残りやすくなる効果が期待できます。短期的な認知拡大よりも、継続的な露出によってアプローチする施策に取り入れられています。
タイムCMが取り入れられる施策例
- 商品・サービスにおける購買意欲の促進
- ブランドイメージの構築・向上
- 企業イメージの向上 など
なお、テレビCMの代表的な出稿形態には、タイムCMのほかに“スポットCM”“SAS”があります。詳しくは、こちらの記事をご確認ください。
タイムCMを出稿する仕組み
タイムCMでは、番組の提供形態や放映エリア、出稿単位などにいくつか種類があるほか、一定の契約期間が定められています。
番組の提供形態
番組のスポンサーが放送するタイムCMでは、主に3つの提供形態があります。
提供形態の種類
種類 |
概要 |
一社提供 |
1つの番組を一社のスポンサーで提供する |
共同提供 |
1つの番組を複数社のスポンサーで提供する |
ミニ番組提供 |
10分以下の短い番組を1社のスポンサーで提供する |
一社提供では、番組内で自社のCMだけが放送されることから、視聴者への露出回数を増やせるようになります。番組の世界観やトーン&マナーについて、放送局と共に擦り合わせながら作り上げていきます。
共同提供は、複数の企業で番組の提供を行うため、一社当たりのCM放送数に限りがありますが、出稿料金は一社提供と比べて抑えやすくなります。
ミニ番組提供は、番組の放送時間が短く、通常の一社提供番組よりも出稿料金を抑えやすくなります。主にゴールデンタイムで放送しているため高い視聴率が期待できます。
放送エリア
タイムCMの放送エリアは、ネットタイムとローカルタイムの2つに分類されます。
タイムCMの放送エリア
ネットタイム |
ローカルタイム |
全国 |
各テレビ局の放送エリア |
ネットタイムでは、番組放送ネットワークの中心となるキー局によってCM放送枠が販売されています。全国の系列局で同時にCMを流すことが可能です。
一方のローカルタイムは、各テレビ局でCM枠が販売されており、その局の放送エリアに限定してCMを放送できます。放送エリアが限られることから、地域に関わりのある企業がスポンサーとなることも多くあります。
出稿単位
タイムCMの出稿単位は30秒・60秒・90秒となっており、放送秒数によって提供表示の方法が異なります。
出稿単位別の提供表示
出稿単位 |
提供表示 |
30秒 |
|
60秒 |
|
90秒 |
|
共同提供の番組では、30秒や60秒の放送が一般的とされています。提供する番組や出稿秒数によって料金は異なります。
契約期間
タイムCMの放送枠は、レギュラー番組の場合において2クール(6ヶ月間)の期間で契約することが原則とされています。
テレビ局のCM放送枠は、4月・10月といった年2回のタイミングで改編が行われるため、その時期を踏まえて購入準備を進める必要があります。
タイムCMのセールス時期
改編のタイミング |
セールス時期 |
4月 |
1~3月 |
10月 |
7~9月 |
なお、テレビCMの出稿にかかる費用についてはこちらの記事をご確認ください。
タイムCMのメリット
タイムCMのメリットには、以下が挙げられます。
メリット
- 商品名・ブランド名を覚えてもらいやすい
- 番組のジャンルと関連づけて視聴者層へ訴求できる
- 番組のイメージが企業・商品の印象に反映されやすい など
毎週同じ番組でCMを放送すると視聴者の印象に残りやすくなります。放送秒数が15秒のスポットCMと比べて、より多くの情報を伝えられるほか、ストーリー性を持たせたアプローチも行えることから、購買意欲や好感度の向上が期待できます。
また、「料理番組で調理家電のCMを流す」「経済番組でBtoB向けのシステムに関するCMを流す」といったように番組のジャンルと関連した宣伝を行うことで、訴求したい視聴者層へ効率的なアプローチが可能です。
さらに、番組内でCMを放送することにより、視聴者が持つ番組のコンセプトや世界観などのイメージが企業・商品の印象にも反映されやすくなり、ブランディングにも効果的といえます。
タイムCMのデメリット
タイムCMは、番組の視聴者層を狙った効果的な訴求を行える一方で、以下のデメリットもあります。
デメリット
- 幅広い層への露出が難しい
- 2クール分の固定予算を確保する必要がある など
番組の提供によって出稿するタイムCMは、CMを放送する時間帯・曜日が、提供する番組に固定されます。CMを見てもらえるのは番組の視聴者層に限定されるため、幅広い層へのアプローチは難しくなります。
また、原則2クールでの契約が必要となることから、短期間またはスポットでの出稿ができないほか、まとまった固定予算を準備する必要があります。
タイムCMを出稿する際のポイント
タイムCMを効果的に運用するには、自社商品の特性や訴求対象となる視聴者層に合わせて番組を選定することがポイントです。
ポイント
- 番組の視聴者層を分析する
- 自社商品と番組のイメージを合わせる
番組のジャンルや放送される時間帯によって視聴者層は異なります。CMによって訴求したいターゲット層と視聴者層の年代・性別がマッチする番組を選ぶことにより、効率的なリーチが可能になります。
また、ブランディングにつなげるには、自社商品と番組のイメージを合わせることもポイントの一つです。CMに起用したタレントがレギュラー出演していたり、商材と親和性の高いテーマを取り上げたりする番組を選ぶ方法があります。
まとめ
この記事では、タイムCMについて以下の内容を解説しました。
- タイムCMの概要
- タイムCMを出稿する仕組み
- タイムCMのメリット・デメリット
- タイムCMを出稿する際のポイント
タイムCMは、特定の番組で一定期間にわたって継続的にCMを放送できることから視聴者の印象に残りやすく、企業・商品に関するイメージの定着・向上にもつながると期待できます。
自社商品の特性や訴求対象となる視聴者層に合わせて番組を選定することにより、効率的なリーチが可能になります。
『フジテレビ for Business』では、地上波のテレビやインターネット動画配信サービスでのCM出稿をサポートしています。ニュース番組やバラエティー番組、ドラマ番組などの多彩な番組のなかから、貴社の出稿目的・商材にマッチしたプロモーションを行えます。
詳しくは、こちらの資料をご確認ください。