TVCM DATA Analysis

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テレビCMを制作する流れと各工程で押さえておくべきポイント

テレビCMを放映するには、CM素材の制作や放送局による審査、搬入に至るまでさまざまなプロセスを踏む必要があります。
企業PRや商品のプロモーションなどにおいてテレビCMの出稿を検討している方は、事前に必要な準備・手続きについて確認しておくことが欠かせません。
この記事では、広告会社や企業の広告宣伝担当者に向けて、テレビCMを制作する流れと各工程で押さえておきたいポイントを解説します。


INDEX[非表示]

  1. 1.テレビCMを制作する流れ
    1. ➀オリエンテーション
    2. ②企画の作成
    3. ③絵コンテの制作
    4. ④キャスティング
    5. ⑤撮影
    6. ⑥映像の編集
    7. ⑦考査
    8. ⑧放送枠の決定
    9. ⑨CM素材の搬入
    10. ⑩放映
  2. 2.テレビCMの制作から放映までにかかる期間
  3. 3.まとめ


1.テレビCMを制作する流れ

テレビCMを放映するまでには、主に10の工程があります。スムーズに進行できるように、放映する目的やターゲットとする視聴者層、予算などをあらかじめ定めておくことが重要です。


➀オリエンテーション

テレビCMを制作する最初の工程となるのが、オリエンテーションです。
広告主・広告会社・制作会社の関係者間で打ち合わせを行い、制作の目的や方針、条件などを共有することで、その後の企画作成をスムーズに進められます。


オリエンテーションで共有する情報

  • テレビCMの出稿目的
  • テレビCMで得たい成果
  • 訴求の対象(企業、商品・サービス、キャンペーン など)
  • ターゲット層の属性
  • 制作の予算やスケジュール など


なお、テレビCMには制作費だけでなく放映料が発生します。予算を策定するポイントについてはこちらの記事をご確認ください。


  テレビCMにかかる費用はどのくらい? 放映料を決定する要素や予算策定のポイント テレビCMは、不特定多数の視聴者にアプローチできる強みがあることから、企業または商材の認知拡大や購買意欲の促進、ブランドイメージの向上などに有効とされています。広告会社や企業の広告宣伝担当者のなかには「テレビCMを出稿する際にどれくらいの費用がかかるのか」「何を考慮して予算を策定するとよいのか」と気になる方もいるのではないでしょうか。この記事では、テレビCMにかかる費用や放映料を決定する要素、予算策定のポイントについて解説します。 フジテレビ for Business


②企画の作成

オリエンテーションで共有した情報を基に、広告会社や制作会社がテレビCMのイメージを具体化させた企画を作成します。
企画の作成は、テレビCMを通して“誰に何を伝えたいのか”といった訴求軸を明確にして、クリエイティブ制作の方向性を決める重要な工程となります。
CMプランナーや制作ディレクター、コピーライターなどと打ち合わせを行い、広告主が複数の企画案のなかから採用する企画を選択します。


企画の作成時に確認するポイント

  • ターゲット層に響くメッセージになっているか
  • 訴求したい内容が正しく・分かりやすく伝わるか
  • 独創性のあるテーマやストーリーで強いインパクトを与えられるか など


③絵コンテの制作

広告主が採用した企画を基に、CMプランナーや制作ディレクターが絵コンテを制作します。絵コンテは、テレビCMの映像を絵またはイラストで簡単に表した設計図のことです。


絵コンテの制作段階で決定しておくこと

  • 各シーンのカット割り
  • カットごとの秒数
  • 音楽や効果音の内容・挿入タイミング
  • ナレーションやセリフの内容 など


絵コンテは、撮影や映像制作に用いる台本のような役割があるため、テレビCMの完成形を具体的にイメージしやすいレベルまで落とし込むことが必要です。ブラッシュアップを繰り返しながら、広告主が採用する絵コンテを決定します。

内容によっては、この段階で放送局による考査を依頼します。


④キャスティング

テレビCMにタレントや俳優、スポーツ選手などを起用する場合は、キャスティングを行います。芸能事務所やキャスティング会社にオファーを行い、出演料の交渉や撮影スケジュールの調整を実施します。
起用する人物によってテレビCMの印象が変わるため、与えたいイメージや影響力などを考慮してキャストを選定することが重要です。


キャスティングを行うときに考慮するポイント

  • 伝えたい世界観やイメージと人物の個性が合致しているか
  • 商品・サービス内容との親和性があるか
  • ターゲット層に近い属性のファンやフォロワーがいるか など

なお、人物を起用せずに静止画やアニメーションのみでテレビCMを制作する場合にはキャスティングは不要となります。


⑤撮影

撮影場所の選定や機材の準備、スタッフの選定などを行い、テレビCMを撮影します。BGMやナレーションを入れる場合は、同時期にスタジオでの収録を行います。
テレビCMの撮影方法には、主に3つの種類があります。


テレビCMの撮影方法

撮影方法
概要
ロケーション撮影
  • 屋外で撮影する方法
  • 管轄の行政機関や施設管理者などに連絡して撮影許可を取得する必要がある
ロケセット撮影
  • 既存の施設や建物で撮影する方法
  • 一からセットを組む必要がないため、スタジオレンタル費を削減できる
スタジオ撮影
  • スタジオにセットを組んで撮影する方法
  • セットのデザインに独自性を出せる


屋外のロケーションで撮影する際は、悪天候で中止が必要になる可能性があるため、予備日を設定しておきます。なお、後日の撮り直しが発生しないように広告主が現場に同行することが一般的です。


⑥映像の編集

撮影した映像を編集してCM素材に仕上げます。仮編集を終えたあと広告主によるチェックを行い、本編集へと移行します。


仮編集と本編集で行うこと


行うこと
仮編集
  • 不要なシーンを削除してカットをつなぎ合わせる
  • CMの尺を調整する
  • 仮のテロップやナレーションを入れる など
本編集
  • 色調・色彩を加工する
  • テロップやエフェクトを挿入する
  • BGMや効果音の音質を調整する など


本編集に移行したあとは基本的に映像の修正対応はできないため、仮編集の段階でイメージの相違がないか確認しておくことが欠かせません。


⑦考査

テレビCMの素材が完成したら、放送局による考査を依頼します。
広告主の業態やCMの表現などについて、各種法令や業界の自主基準、日本民間放送連盟(以下、民放連)の放送基準を満たしているか放送局による審査が行われます。
考査の内容は、大きく2つに分けられます。


テレビCM考査の内容

内容
概要
業態考査
広告主の信用性や事業活動の健全性を確認する
CM表現考査
CMの内容・表現が、関連法令、業界自主基準、民放連放送基準等に反していないか確認する


放送局の考査に通らなかった場合はテレビCMを放映できないため、事前に関連法令に抵触していないか、業界の自主基準に反していないか、民放連の放送基準を満たしているかなどを確認しておくことが重要です。
なお、考査については絵コンテ段階や素材の完成前に行われることもあります。考査に必要な提出書類や審査される項目については、こちらの記事で詳しく解説しています。


  テレビCMの考査とは。放送局でチェックされる5つの項目 テレビCMの出稿には、広告主の業態やCM素材の表現・表示に関する規制が設けられています。各放送局によって行われる考査に通過する必要があります。この記事では、テレビCMの考査で行われることや各放送局でチェックされる項目について解説します。 フジテレビ for Business


⑧放送枠の決定

放送局による考査の依頼中に、テレビCMの放送枠を決定します。
各放送局が販売する放送枠は、出稿形態の種類によって異なります。出稿する目的やターゲットとする視聴者層を踏まえて選定することがポイントです。


テレビCMの出稿形態

出稿形態
概要
放送枠の決め方
タイムCM
番組のスポンサーとなり、番組中のCM放送枠に放映する
特定のレギュラー番組を指定する
スポットCM
番組の放送中または次の番組との合間に放映する
平日・休日や時間帯の区分を指定する
SAS(Smart Ad Sales)
契約期間の定めがなく、1本単位で放映する
番組・日時・本数を指定する


なお、タイムCMは2クール(6ヶ月間)単位での契約になりますが、スポットCMでは放送期間をキャンペーンに合わせて柔軟に設定することが可能です。
各出稿形態の詳しい仕組みについては、こちらの記事をご確認ください。


  タイムCMとは。広告効果の向上を狙うための出稿ポイント テレビ番組で「この番組は○○の提供でお送りします」という表示を見かけます。これは“タイムCM”と呼ばれ、番組の視聴者層にアプローチできます。この記事では、タイムCMの出稿の仕組み、メリット・デメリット、広告効果を高めるポイントを解説します。 フジテレビ for Business


  スポットCMとは。出稿の仕組みを知って宣伝活動に活用するには テレビCMでは出稿形態によって放送枠や契約方法が異なるため、目的や予算に合わせて選定します。代表的な出稿形態の一つに“スポットCM”があります。この記事では、スポットCMの概要や出稿の仕組み、メリット・デメリットなどを解説します。 フジテレビ for Business


  SAS(Smart Ad Sales)とは。出稿の仕組みや効果的な活用方法 テレビCMは、幅広い視聴者に対して短期間で一斉に情報を届けられます。Smart Ad Salesは、テレビCMより柔軟な運用を目指して登場した“第3のテレビCM”です。この記事では、SASの出稿の仕組み、メリット・デメリット、効果的な活用方法について解説します。 フジテレビ for Business


⑨CM素材の搬入

考査に通過したあとは、放送局にCM素材を搬入します。民放連が規定するCM素材の搬入基準を基に各放送局でフォーマットが定められているため、事前に確認しておくことが重要です。


▼指定されている主な搬入基準

項目
搬入基準
素材
HD(高解像度)素材
映像記録方式
標準アスペクト比
16:9
デジタル記録方式
1080i
音声記録方式
ステレオ、モノラル、5.1+S
主な納品方法
XDCAMの郵送
オンラインでの送稿
素材名
全角30文字以内
始めに商品名の記載
JIS-X0208で定められる全角文字の使用 など


なお、搬入可能な媒体やオンラインでの納品可否については、各放送局で対応が異なることに注意が必要です。
CM素材の搬入基準についてはこちらの記事をご確認ください。


  テレビCMの素材搬入基準。スムーズな出稿につなげるには テレビCMを出稿する際は、制作したCM素材を放送局に搬入する必要があります。搬入する素材の形式や素材名には一定の基準が定められています。この記事では、テレビCMを放送するまでの流れ、CM素材の搬入基準、注意点について解説します。 フジテレビ for Business


⑩放映

CM素材の搬入が完了すると、決定した放送枠でテレビCMが放映されます。
テレビCMが放映されたあとは、効果測定を実施して費用対効果を確認することがポイントです。得られた反響や課題を踏まえて出稿方法とクリエイティブを見直すことにより、テレビCMの費用対効果を引き上げられます。
なお、効果測定に役立つ指標についてはこちらの記事で解説しています。


  テレビCMの広告効果とは。費用対効果を高める3つのコツ テレビCMは広告手法として代表的なものの一つです。テレビCMを放映することで、幅広い層の視聴者に対して一斉にアプローチできます。しかし、近年ではインターネット広告の市場規模が大幅に拡大しており、広告の出稿先に関する選択肢は従来よりも多様化しているといえます。この記事では、テレビCMの特徴や期待できる効果、費用対効果を高めるポイントについて解説します。 フジテレビ for Business



2.テレビCMの制作から放映までにかかる期間

テレビCMの制作から放映までには、2~3ヶ月程度の期間がかかります。
実写での映像撮影やスタジオのセット制作などが必要になる場合には、制作期間がさらに長くなる可能性があります。
予定していたスケジュールでテレビCMを放映できるように、関係者間で密な情報共有と準備を行い、修正回数や撮影トラブルをできるだけなくすことが重要です。


3.まとめ

この記事では、テレビCMの制作について以下の内容を解説しました。


  • テレビCMを制作する流れ
  • 制作から放映までにかかる期間


テレビCMを放映するまでには、広告主と関係者が連携して一つひとつのプロセスを進行する必要があります。
​​​​​​​なかでもオリエンテーションと企画の作成は、制作するテレビCMのイメージや方向性を統一する重要なプロセスとなります。広告主の要望に合ったテレビCMを完成させるために、綿密な打ち合わせを行うことが欠かせません。

フジテレビ for Business』では、テレビCMの企画作成から映像制作、考査、搬入にいたるまでトータルサポートしております。貴社の出稿目的やご予算に合わせた最適なCMプランをご提案いたします。

詳しくは、こちらの資料をご確認ください。


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